
インフラエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性まで徹底解説!
最終更新日:2025/03/25
「IT業界で安定して働きたい」「将来性のある分野に転職したい」「エンジニアとして専門性を高めたい」そんなあなたにおすすめなのが、インフラエンジニアという職種です。
インフラエンジニアは、企業や社会のデジタル活動を支える“縁の下の力持ち”であり、私たちの生活やビジネスに欠かせない存在です。
スマホでSNSを使う、ネットで買い物をする、会社でシステムを動かす——こうした日常の裏側では、インフラエンジニアが活躍しています。
この記事では、インフラエンジニアの仕事内容から年収、必要なスキル、将来性、そしてキャリアパスまでを徹底解説します。
未経験者でも理解できるよう、わかりやすく紹介していきますので最後までご覧ください。
【目次】
-要件定義-
-設計-
-構築-
-運用・保守-
-サーバー-
-ネットワーク-
-データベース-
-セキュリティ-
-技術スキル-
-資格-
-ソフトスキル-
-平均年収-
-年齢・ポジション別の傾向-
-高収入を目指すポイント-
-地域差-
-副業・複業-
-クラウド技術の発展-
-サイバーセキュリティの重要性-
-DevOpsやSREとの融合-
-AIとの連携と活用の進展-
-社内SE(社内インフラ担当)-
-SIerやITベンダー所属-
-クラウドインテグレーター-
-フリーランス/副業-
-リモートワーク-
-スペシャリスト-
-マネージャー-
-コンサルタント-
-SRE・DevOpsエンジニア-
-フリーランス・起業家-

|インフラエンジニアとは
あなたが今使っているスマートフォンや、会社の業務システム、オンラインでの買い物や動画配信サービス、それらすべてが、見えないところで「インフラ」に支えられていることをご存じでしょうか?
インフラエンジニアとは、こうしたITサービスの裏側を支える“設計者であり守護者”のような存在で、サーバー、ネットワーク、データベース、クラウドといった基盤部分を設計し、構築し、トラブルが起きないよう日々運用・保守するプロフェッショナルです。
彼らがいなければ、どれだけ優れたアプリやシステムも正常に動作することはありません。
つまり、インフラエンジニアは「ITの安心・安全・快適さ」を陰で守るキーパーソンなのです。
近年ではクラウドやAIの発展により、その役割もますます高度化しています。
単なる裏方ではなく、企業のIT戦略を技術面から支える存在として注目されています。

|インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアの仕事は大きく分けて以下の4つです。
-要件定義-
要件定義では主に、クライアントや社内のシステム担当者から業務要件をヒアリングを行い、その結果を基に業務フローや必要な処理量、セキュリティ要件、運用体制などを明確化します。
クラウドかオンプレミスか、必要な冗長性や可用性の水準などもこの段階で検討します。
-設計-
要件の次は設計となり、インフラ構成の詳細設計を行います。
サーバーの台数・構成、ネットワーク機器の接続方式、セキュリティ対策、バックアップ構成などを図面や設計書としてまとめます。
ここでは、実際に構築するためのドキュメントとして、ネットワーク構成図やポート開放リスト、構成管理表などを作成します。
-構築-
次はいよいよ構築となります。
設計の内容を基に、実際にサーバーやネットワーク機器を用意し、物理的または仮想環境にインフラを構築します。
具体的には、OSインストール、Apache, Nginx, MySQLなどのミドルウェア設定、IPアドレス、ルーティングといったネットワーク設定やファイアウォールの設定を行います。
構築後は単体試験や結合試験などを実施し、パフォーマンスやセキュリティ、冗長性の確認を行います。
-運用・保守-
構築後はシステムが安定的に稼働できるよう、24時間365日体制での監視業務や、障害発生時の対応を行います。
障害発生時には、ログの確認、原因の特定、暫定対応と恒久対応の実施などが求められ、日常的に、パッチ適用やシステムのリソース監視、障害予防のための定期メンテナンスを実施することで障害の発生を予防します。
ここではSLA、いわゆるサービスレベルアグリーメントの遵守や、稼働率レポートの作成なども含まれます。

|インフラの種類
-サーバー-
・物理サーバー
企業のデータセンターに設置される専用ハードウェアです。
・仮想サーバー
仮想化技術を用いたサーバーで1台の物理マシン上に複数の仮想マシンを構築します。
・クラウドサーバー
AWSやAzure、GCPといったクラウドベンダーが運用管理する仮想環境です。
インフラエンジニアは、これらのサーバーの構成、拡張性、セキュリティ、可用性を考慮して最適な選定と設定を行います。
-ネットワーク-
・LAN(ローカルエリアネットワーク)
オフィスやデータセンター内の比較的小規模な通信ネットワークです。
・WAN(ワイドエリアネットワーク)
拠点間を結ぶ大規模なネットワークです。
・VPN(仮想プライベートネットワーク)
インターネット経由で安全に通信を行う手段です。
インフラエンジニアは、ルーター、スイッチ、ファイアウォールなどのネットワーク機器の設定やトラフィック管理も担当範囲となります。
-データベース-
データベースはデータの保存・検索・更新を効率的に行う基盤で、Oracle Database、SQL Serverなどの商用のものから、MySQL、PostgreSQLなどのオープンソースのものまで多種多様なデータベースがあります。
インフラエンジニアは、データベースのバックアップやリストア、チューニングなどの業務も非常に重要となります。
-セキュリティ-
インフラエンジニアは、システムを外部の攻撃や内部不正から守るための設計と運用も行います。
具体的には、ファイアウォールの設定、IDS/IPSの導入、アクセス制御の設計などが含まれ、SSL証明書の管理や多要素認証の導入、セキュリティポリシーの策定・運用も含まれます。

|インフラエンジニアに必要なスキル
-技術スキル-
・OS操作スキル
LinuxやWindows Serverの基本操作、ユーザー管理、ファイルパーミッションの理解が必要です。
・ネットワーク知識
OSI参照モデル、TCP/IP、サブネット、ルーティング、DNSの仕組みに関する知識が必要です。
・仮想化技術
VMware、Hyper-V、KVMなどの使い方を理解する必要があります。
・クラウドサービスの理解
AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなど主要クラウドの基本サービスを理解する必要があります。
・スクリプト言語
Bash、PowerShell、Pythonなどを用いた自動化スクリプトの作成能力が必要となります。
-資格-
・CCNA(Cisco Certified Network Associate)。
・LPIC(Linux技術者認定試験)。
・AWS認定資格(Solutions Architect, SysOps Administrator など)。
・CompTIA Network+ や Security+ などの基礎資格。
-ソフトスキル-
・問題解決能力
障害発生時に迅速かつ論理的に原因を特定し、対応する力を持つ必要があります。
・コミュニケーション力
開発チームやクライアント、社内の他部署と円滑に連携する能力が必要です。
・ドキュメンテーション能力
設計書や手順書、障害報告書などを正確に記録・共有する力をつける必要があります。
・学習継続力
日々進化する技術への興味と、自発的にキャッチアップする姿勢が大切です。

|インフラエンジニアの年収
インフラエンジニアの年収は、スキルセット、経験年数、所属企業の規模や業界、勤務地によって大きく異なります。
-平均年収-
・新卒や未経験からスタートした場合は、年収350万円〜450万円程度となります。
・3〜5年の実務経験を積むと、年収500〜700万円が一般的な水準です。
・中堅以上、専門スキル(クラウド、セキュリティなど)を持つエンジニアでは800万円以上も目指せます。
-年齢・ポジション別の傾向-
・20代後半:400〜600万円。
・30代前半:600〜800万円。
・30代後半以降:技術リーダーやマネージャークラスで800〜1,000万円超。
-高収入を目指すポイント-
・AWS, Azure, GCPといったクラウドやセキュリティのスキルを習得し、資格を取得することが推奨されます。
・SREやDevOpsなど最新の運用スタイルに関する知識と実務経験が必要です。
・コンサルタントやプリセールスといった上流工程に関わることで収入が上がる傾向があります。
・フリーランスに転向すれば月単価70〜100万円以上の案件も可能となります。
-地域差-
・東京・大阪など都市部は高年収の案件が多く、特に外資系企業は報酬水準が高めです。
・地方はやや低めだが、生活コストとのバランスで考えると悪くない選択肢ではないでしょうか。
-副業・複業-
・クラウド構築やスクリプト作成などの小規模案件で副収入を得るエンジニアも増加中です。
・自身のスキルを活かして、技術ブログ執筆やセミナー講師なども副収入源になります。

|インフラエンジニアの将来性
インフラエンジニアの将来性は非常に高いとされています。
特に以下の3つの要因が、今後の需要を押し上げる要素となっています。
-クラウド技術の発展-
・AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformの普及により、従来のオンプレミス環境からクラウドへの移行が急速に進行中です。
・インフラエンジニアはクラウド設計・構築・運用のスキルが求められ、クラウドネイティブな開発環境を支える存在として注目されています。
・IaaS、PaaS、SaaSなどの理解が不可欠となり、Infrastructure as Code(IaC)やコンテナ技術(Docker、Kubernetes)も重要分野です。
-サイバーセキュリティの重要性-
・サイバー攻撃が高度化・巧妙化しており、セキュリティに強いインフラエンジニアのニーズが増加しています。
・特にゼロトラストセキュリティやEDR、SIEMなどの新しいセキュリティ概念を理解し、実装・運用できる人材が重宝されます。
・セキュリティ対応力は、企業の信頼性にも直結するため、今後も継続的に必要とされるスキルです。
-DevOpsやSREとの融合-
・開発と運用の垣根をなくすDevOpsや、Googleが提唱したSRE(Site Reliability Engineering)が注目される中で、インフラエンジニアの役割も変化しています。
・自動化ツール(Ansible、Terraform、CI/CDツールなど)の活用や、運用の安定性と可用性を数値で測る考え方が求められます。
・インフラに精通した人材が、開発チームと密に連携して信頼性の高いシステムを設計・運用する時代になっています。
このように、インフラエンジニアは単なる裏方ではなく、企業の競争力を支える戦略的なポジションへと進化しており、今後もキャリアとして高い将来性を持つ職種です。
-AIとの連携と活用の進展-
・監視業務やログ分析、障害予測などの領域でAIの導入が進んでおり、インフラエンジニアはAIツールを活用してより効率的な運用を実現しています。
・機械学習を用いた異常検知や、AIによるオートスケーリング制御、自動復旧システムの構築など、新しい取り組みが日々進化中です。
・今後はAIインフラ(AIモデルを支えるGPUクラスタや高速ネットワークなど)の設計・運用を担当する機会も増え、AI時代に適応したインフラエンジニアが強く求められるようになります。

|インフラエンジニアの働き方
インフラエンジニアの働き方は多様化しており、ライフスタイルやキャリアの志向に応じて選択が可能です。
-社内SE(社内インフラ担当)-
一般企業の情報システム部門に所属し、社内システムの保守やヘルプデスク業務を含む幅広い役割を担います。
-SIerやITベンダー所属-
顧客企業のシステム設計・構築・運用を請け負う形で、プロジェクトベースの働き方になります。
-クラウドインテグレーター-
AWSやAzureなどのクラウド環境を中心としたインフラ構築・移行・最適化を専門とする企業で働きます。
-フリーランス/副業-
一定のスキルと経験を積んだ後、独立して案件ベースで働くスタイル。収入の自由度や働く場所の柔軟性が高まります。
-リモートワーク-
クラウド化や監視ツールの進化により、物理的な現場に行かずとも遠隔でのシステム構築・運用が可能な時代になっています。
このように、インフラエンジニアは企業内外を問わず、多彩な働き方を選択できる職種となっており、ライフステージに応じて柔軟にキャリアを設計できる点が魅力です。

|インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアは技術分野での専門性を高めながら、多彩なキャリアパスを描くことができます。
-スペシャリスト-
・クラウド、セキュリティ、ネットワーク、データベースといった特定領域に深い知識と技術を持つ技術特化型の道。
・AWS認定資格やCISSP、CCNPなどの高度資格を取得し、設計やアーキテクチャ構築に携わることも可能です。
・技術書籍の執筆や講演など、対外的な技術発信で評価されることもあります。
-マネージャー-
・インフラプロジェクトの進行管理やチームマネジメントを担当する立場。
・技術知識に加え、マネジメントスキルやリーダーシップ、予算・進捗管理能力が求められます。
・組織内での意思決定や戦略策定にも関わる機会が増え、エンジニアから管理職へのステップアップに有効です。
-コンサルタント-
・顧客企業に対し、ITインフラに関する戦略策定・改善提案を行う上流工程の役割。
・高度な技術知識と業務理解をもとに、最適なインフラ構成や運用体制をアドバイス。
・プリセールスエンジニアとして営業支援や、金融・医療・製造分野での業界特化型での活躍も期待されます。
-SRE・DevOpsエンジニア-
・インフラ運用とソフトウェア開発を融合し、システムの信頼性や自動化を追求する新しい職種。
・コードでインフラを管理するスキル(IaC)や、CI/CDパイプラインの構築など、運用を高度に効率化する役割を担います。
-フリーランス・起業家-
・豊富な経験と人脈を活かして独立。インフラ構築・運用の請負業務や、自社プロダクト開発を行うケースも。
・営業力やブランディングも求められますが、自由度と報酬面での魅力があります。
このように、インフラエンジニアは技術者としての道を極めるだけでなく、管理職やコンサルタント、起業といった多様な未来を描ける柔軟性の高い職種です。

|まとめ
インフラエンジニアは、現代のIT社会において欠かすことのできない職種です。
Webサービス、業務システム、クラウド環境など、あらゆるITサービスはインフラの上に成り立っています。
・サーバー、ネットワーク、データベース、クラウド、セキュリティといった多岐にわたる分野を横断的に理解・管理できる力が求められる。
・特定分野で専門性を高めれば、スペシャリストとしての高収入や市場価値の向上が期待できる。
・クラウド化、セキュリティ強化、AI・自動化の進展により、今後も継続的に需要が見込まれる。
・働き方の自由度が高く、リモートワーク、副業、フリーランスなど多様な選択肢がある。
・キャリアパスも豊富で、技術を極める道だけでなく、マネジメントやコンサル、起業といった展開も可能。
特に、AI時代に向けたAIインフラの構築や、DevOps、SREの分野などでは、インフラエンジニアの新たな価値が見直されています。
今後エンジニアを目指す方にとっても、現在インフラ分野に従事している方にとっても、時代の流れを的確に捉え、スキルを磨き続けることで、長く活躍できる分野といえるでしょう。
まずは、OSやネットワーク、クラウドの基本から一歩ずつ学びを深めていきましょう。