「デジタル化」と「DX」の違い

最終更新日:2024/11/2

 皆さんは、「デジタル化」と「DX」の違いってわかりますか?

 そもそもDXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを変えることです。

 デジタル技術を活用するということもあり、よく「デジタル化」と混同されているケースも少なからずあります。

 デジタル化とDXはそれぞれ異なる目的を持っています。

 今回は、「デジタル化」と「DX」の目的や違いについて解説します。

|デジタル化の目的

 デジタル化は、システムやITツールを活用し業務の負荷軽減や効率性を高めることで、生産性を向上させることを目的としています。

 デジタル化は、いわゆる「アナログからデジタルへの転換」といえます。

 デジタル化の例として、企業のコミュケーションの多様化があげられます。

 インターネットが普及する前の企業が行う情報伝達の手段として、電話やFAX、書類送付などの手段が一般的でしたが、インターネットが普及した現在では、電子メールやチャット、オンライン会議などのデジタル技術を活用した手段が生み出され、多様化しています。

 これらのデジタル技術を活用した手段が普及したことで、時間に限られず、また、場所にとらわれることのないコミュニケーションが可能になりました。

|DXの目的

 DXは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革し、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを目的としています。

 デジタル化と比較し経営目線寄りな目的として捉えることができますね。

 DXの例として、機械設備のメンテナンス事業を営むA社を例に紹介します。

 A社は人材不足への課題や他社サービスとの差別化を図る手段としてIoT技術を活用した計測器や制御器の導入を実施しました。

 IoT技術を活用した計測器や制御器には、無線デバイスが搭載されており計測結果を専用のサーバーに送信できる機能を備えていることから、現場に作業員が出向くことなく、遠隔での監視や操作が可能となったのです。

 この取り組みによりA社は現場の作業員の余力を生み出すことができ、その余力をメンテナンス事業の拡大や新サービスの企画・開発に注力することでビジネスモデルの変革を果たすことができました。

|DXの実現に向けてのデジタル化

 先ほど説明した内容を重複しますが、「デジタル化」とは、業務を自動化・システム化し、業務効率化や生産性の向上を目的としています。

 これに対し、「DX」はデジタル技術でビジネスモデルそのものを変革して新たな価値を生み出し、企業の競争力を向上することを目的としています。

 デジタル化とDXは異なる目的ではありますが、DXの実現に向けてデジタル化は不可欠なステップであり、業務効率化や生産性の向上といった課題をクリアしたあと、新たな価値を創出することがDXといえます。

 ITやデジタル技術について、あまり得意でない方には雲をつかむような取り組みになってしまいますが、自社で取り組める内容を着実に実行し、デジタル化やDXを実現しましょう。

 

 

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